こんにちは、小松園の小倉です。
突然ですが――
「うなぎ」って、日本だけのものだと思っていませんか?
たしかに、土用の丑の日にうな重を食べるのは、
すっかり日本の夏の風物詩。ですが実は…ウナギ、世界中で食べられているんです!
しかも、その食べ方がどれもこれもユニーク。
日本の蒲焼しか知らないと、驚くようなレシピが次々と登場します。
今回は、そんな“世界のうなぎ料理”をご紹介します。
読んだらきっと、次の食事がちょっと楽しくなるかもしれませんよ。
1. 【中国】スパイシー好きに刺さる!激辛ウナギ「麻辣鰻魚」
まずはお隣・中国から。
四川では「麻辣鰻魚(マーラー・マンユー)」というウナギの激辛煮込みが人気。花椒のしびれと唐辛子の辛さがクセになる一品で、日本の蒲焼とはまったく違う世界です。
同じ中国でも、上海では「串烤鰻魚(クア・カオ・マンユー)」という串焼きスタイルが屋台で親しまれていて、まるでウナギの焼き鳥のよう。
気軽に食べられるスナック感覚が面白いですね。
2. 【イタリア】クリスマスに食べる!?「カピトーネ・イン・ウミド」
イタリアではウナギを「カピトーネ」と呼び、特にクリスマスに食べるのが習わしなんです。
中でも「カピトーネ・イン・ウミド」は、トマトソースで煮込んだ伝統的な家庭料理。
ハーブやオリーブオイルの香りが広がって、どこか南イタリアの太陽を感じる味わいです。
3. 【イギリス】え!?ウナギをゼリーに!?「Jellied Eels」
ちょっと衝撃的なのが、イギリスの「Jellied Eels(ジェリード・イール)」。
煮込んだウナギを、煮汁ごと冷やしてゼリー状に固めた伝統料理なんです。
透明なゼリーに透けるウナギの姿は、初めて見ると「えっ…!?」となるかも。
ですが、かつてはロンドンの労働者階級にとっての定番料理。意外と素朴な味わいだそうですよ。
4. 【スペイン】“海のキャビア”?高級料理「アンギュラス」
スペインのバスク地方で知られるのが「アンギュラス」。
これはウナギの稚魚(シラスのような姿)を、オリーブオイルとニンニクで炒めたシンプルな料理。
…が、実はこの稚魚、近年では漁獲制限の影響でほとんど獲れず、非常に高価!
いまや“幻の高級食材”として扱われ、一皿数万円することもあるとか。まさに「海のキャビア」です。
5. 【韓国】夏バテ対策にも人気!炭火焼き「장어구이(チャンオグイ)」
韓国でもウナギは滋養強壮の代名詞。
「장어구이(チャンオグイ)」は炭火で香ばしく焼き上げたスタイルで、日本の白焼きに近い見た目です。
さらに「장어볶음(チャンオポックム)」という、唐辛子で炒めたスタミナ料理も人気。
どちらも“夏バテ防止”として、特に暑い時期によく食べられているそうです。
6. 【フランス】赤ワインとハーブ香る「Matelote d’Anguille」
フランスには「Matelote d’Anguille(マトロット・ダンギーユ)」という、ウナギの赤ワイン煮込み料理があります。
香味野菜とハーブ、スパイスをたっぷり使い、じっくり煮込まれるこの料理は、フランス流の“贅沢なウナギ”。
見た目も華やかで、レストランのコース料理にもよく登場します。
7. 【ポルトガル】郷土料理「カルデイラーダ・デ・エンギアス」
ポルトガルの漁村などで見かけるのが「Caldeirada de Enguias(カルデイラーダ・デ・エンギアス)」というウナギのシチュー。
トマトやパプリカ、ワインで煮込まれていて、素朴ながら深い味わいが魅力です。
家庭料理としても親しまれており、旅先の食堂で出会えることも。
8. 【アメリカ】ウナギをフライ!?南部名物「フライド・イール」
アメリカ南部では、ウナギを丸ごと揚げた「フライド・イール」が伝統料理。
カラッと揚げたウナギにタルタルソースを添えるのが定番スタイルで、見た目はまるでフィッシュ&チップスのよう。
シンプルですが、地元では根強い人気のある一皿です。
世界のウナギ料理、いかがでしたか?
こうして見ると、ウナギって本当に“世界中で愛される食材”なんだなと改めて感じますよね。
それぞれの国や地域で、まったく違う味わいや食べ方があって…ちょっとした世界旅行気分になります。
次の土用の丑の日、こんな話をしながらうな重を囲んでみるのも、楽しいかもしれません。
もちろん、当店の蒲焼も日本が誇るウナギ文化の一つです。世界の味も知った上で、あらためて“本場の味”に向き合ってみてはいかがでしょうか?
それでは、また!