こんにちは、うなぎ昇り小松園と十一代目うなぎ佐市右衛門を運営しております
小倉です!

夏が近づいてくると、気になるのが「土用の丑の日」。
「うなぎを食べる日」っていうイメージが強いですが、実はもっと奥深い意味や、ちょっと得した気分になれる知識もたくさんあるんです。

たとえば――
「なんで“丑の日”にうなぎなの?」
「うなぎ食べたいけど、ちょっと高くて…」
「えっ、丑の日って夏だけじゃないの⁉」

そんな疑問を持っている方、意外と多いんじゃないでしょうか?

私は地元の老舗うなぎ専門店で修行した経験もあるのですが、今回はプロ目線で「うなぎ選びのコツ」から「土用の丑の日の本当の意味」「うなぎ以外で楽しめる夏バテ対策メニュー」まで、ぜんぶまとめてご紹介します!

今年の丑の日がもっと楽しく、意味ある1日になりますように。


1. 地元の職人が教える!失敗しない「うなぎの選び方」

「土用の丑の日=うなぎの日」。これはもうすっかり定着していますよね。
でも、「せっかくなら美味しいものを食べたい!」と思っても、スーパーや通販でどれを選べばいいのか迷いませんか?

ここでは、うなぎ職人の目線で「選び方のコツ」をお伝えします。

◆国産と輸入のちがい

今、日本で出回っているうなぎの約7割が海外産(中国・台湾など)と言われています。
もちろん価格は安いのですが、味・香り・食感のバランスでは国産が一歩リード。
特に「浜名湖産(静岡)」や「大隅産(鹿児島)」のうなぎは、脂ののりが上品で身もふっくらしています。

◆天然 vs 養殖、どっちがいいの?

天然うなぎは確かに希少ですが、実は「良い養殖うなぎ」のほうが安定して美味しいことも多いんです。
水質・エサ・飼育環境が整った養殖場のうなぎは、むしろ脂ののりが絶妙。
迷ったときは、生産地と養殖環境をチェックしてみてください。

◆関東風・関西風、あなたはどっち派?

  • 関東風(蒸し焼き):ふんわり柔らか、タレが染み込む上品な仕上がり

  • 関西風(直焼き):皮が香ばしくパリッとした食感、香り重視の方におすすめ

どちらも美味しいので、お好みで選んでくださいね。

◆持ち帰り・お取り寄せならここに注意!

冷凍よりも「真空パック」の蒲焼を。
温める時は電子レンジより湯煎が断然おすすめです。
表面が乾かず、ふっくら感がキープされます。


2. 実は誤解だらけ?「土用の丑の日」って夏だけじゃないんです

「丑の日って、毎年1日だけでしょ?」
そう思っていた方、ちょっとびっくりするかもしれません。

実は、「土用の丑の日」は年に4回あるんです!

◆土用=季節の変わり目の18日間

「土用」とは本来、立春・立夏・立秋・立冬の前、約18日間を指します。
つまり、春夏秋冬それぞれに「土用」があるということ。
夏だけが有名になったのは、うなぎと結びついたからなんですね。

◆なぜうなぎを食べるようになったの?

よく知られている話は、江戸時代の発明家・平賀源内が蒲焼屋の相談を受け、「丑の日に“う”のつく食べ物を食べるといい」と提案したことがきっかけとされています。

でも実は、古くからこの時期は「陰の気」が強くなり、体調を崩しやすい時期。
そこで、「う」のつく滋養強壮に良い食材(うなぎ・梅干し・うどんなど)を食べることで、体を整えようという民間の知恵と養生法が根っこにあるんです。


3. うなぎがなくても大丈夫!「う」のつく夏バテ防止メニュー

「うなぎ食べたいけど高くて…」
「家族みんな分買うのはちょっと…」という方も、無理はしなくてOK。

実は、土用の丑の日には「う」のつく食材を食べるといいとされていて、他にもおすすめがたくさんあるんです。

◆うどん

つるっと喉ごしが良く、暑くて食欲がないときにもぴったり。
梅干し・ミョウガ・おろし生姜と一緒に冷やしうどんにすると、さっぱり感が増します。

◆うり系野菜(きゅうり・冬瓜など)

水分が多く、体の熱を冷ます効果あり。
特に冬瓜スープは、胃腸に優しくて消化も良く、夏バテ時の救世主です。

◆梅干し

殺菌作用+疲労回復に効果的なクエン酸を含んでいます。
梅干し茶漬けや梅肉ドレッシングで食欲UP!

◆牛肉

意外ですが、夏の疲労回復には牛肉のタンパク質+ビタミンB群が効果的。
冷しゃぶや薄切りステーキであっさり食べるのがおすすめです。

◆うこん(ターメリック)

肝臓を元気にしてくれる成分が含まれているので、夏の飲み会対策にも◎。


まとめ:今年の「土用の丑の日」は、知って得する1日に

土用の丑の日=うなぎを食べる日。
そう思っていた方も、今回の内容で「実はもっと奥が深かったんだ!」と感じていただけたのではないでしょうか。

今年は、

  • うなぎを選ぶときの「目利き力」

  • 「う」のつく食材をうまく取り入れる知恵

  • 土用という日本の季節感と養生文化

…そんな知識を持って、ただの“行事”ではなく、「体をいたわる一日」として土用の丑の日を楽しんでみてくださいね。

それでは、皆さまの夏が健やかで美味しく過ごせますように!