夏が近づくと、どうしても食べたくなるのが「うなぎ」ですよね。
でも…
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「せっかくお取り寄せしたのに、思ったほど美味しくなかった…」
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「産地によってそんなに味が違うの?」
そんな経験や疑問、ありませんか?
実は、うなぎは産地によって味わいが驚くほど変わるんです。
私はうなぎ専門店に長年携わる料理人として、これまで何十種類ものうなぎを仕入れ、調理し、味わってきました。今回は、そのプロ目線から「本当においしいうなぎの選び方」をご紹介します。
1. うなぎ通が唸る!産地別お取り寄せうなぎの味の違い
お取り寄せうなぎも進化しています。冷凍技術や真空パックの進歩で、専門店の味を家庭でも楽しめるようになりました。ただし、味に影響するのは技術だけでなく「産地と育て方」も大きな要素です。
ここでは、代表的な国産うなぎの産地とその特徴を紹介します。
【静岡県 浜名湖産】
うなぎ養殖の草分け的存在。
浜名湖周辺のきれいな地下水と温暖な気候の中で育ち、脂がのっているのにくどさがなく、上品な甘みがあるのが特徴。
食感はふっくら、皮も薄くて食べやすく、初心者にもおすすめです。
【鹿児島県 大隅産】
日本一の生産量を誇る鹿児島県。特に大隅半島は清流と天然温泉水を使った養殖が盛んで、身が引き締まっていながら柔らかいのが特徴です。
脂はあっさり系で、香ばしいタレとの相性が抜群。
【愛知県 三河産】
三河一色地域は江戸時代から続く伝統的なうなぎの名産地。
脂の甘みと香ばしさ、そしてしっかりした食感が魅力で、関西風(地焼き)との相性も抜群です。備長炭で焼くスタイルが多く、香ばしい皮目が特徴的。
【宮崎県産】
近年注目を集めている新興勢力。温暖な気候と豊富な水資源を生かした養殖で、ふっくら柔らかく脂のバランスも絶妙。
比較的リーズナブルで、家庭用にも人気です。
※同じ県内でも養殖方法や水質によって味に差が出るため、あくまで傾向として参考にしてください。
2. なぜこんなに違うの?味を決めるのは「水」「エサ」「育て方」
うなぎの味を決める要因は、大きく分けて以下の3つです。
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水質:ミネラル豊富な地下水や温泉水を使用しているかどうかで、身の締まり方や臭みが大きく変わります。
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エサ:脂ののりを左右する重要なポイント。高品質なエサを使っている養殖場は脂の質が上品です。
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養殖方法:「池中養殖」よりも、広いスペースで自然に近い環境で育てる「坪池養殖」や「地下水循環式養殖」は味に定評あり。
3. プロが選ぶ!お取り寄せで失敗しないためのチェックポイント
通販でうなぎを選ぶとき、次のポイントに注目すると「ハズレ」を防げます。
✅ 養殖方法の記載があるか
養殖環境や使用水の情報を開示しているお店は、品質に自信がある証拠です。
✅ 蒸し方・焼き方のこだわり
関東風(蒸してから焼く)なのか、関西風(蒸さずに直焼き)なのか、自分の好みに合わせて選びましょう。
✅ 真空パックや冷凍技術
おいしさを損なわずに届けるための工夫がされているかも重要なポイントです。
✅ 土用の丑の日を避けるのも裏ワザ
繁忙期には製造・発送ともに混み合うため、少し時期をずらすと丁寧な仕事の一品に出会える確率が上がります。
4. 土用の丑の日がもっと楽しくなる!産地別うなぎの楽しみ方
産地の違いを知れば、「今日はどの地方のうなぎを食べようかな?」という楽しみ方もできます。
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「しっかり味わいたい日は三河」
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「さっぱり食べたい夏の夜には浜名湖」
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「旨味重視なら大隅」
そんなふうに選ぶと、いつもの食卓がちょっと贅沢に感じられるはずです。
まとめ:うなぎ選びで失敗しないために
うなぎは「どれも同じ」ではありません。産地、水、エサ、職人の手仕事…
すべてが味に影響しています。
柔らかければよいというものでもなく、
あっさりしすぎてうなぎの旨味が感じられなかったり、
ムチムチしているけど、旨味が強いというように
そのうなぎが育ったあんばいであじわいが異なります。
そんなわけで実際の現場では
それぞれのうなぎに合わせて調理に加減を調整しています。
品質的に安定して、しかもぜひ食べてほしいのは
実は秋冬11月〜くらいのうなぎが絶妙にいい感じなので
個人的にはこの時期に味わってほしいところでもあります(^^)
土用の丑の日に向けて、ぜひ自分好みの「極上うなぎ」を見つけてみてください。
専門店のような味をご自宅で楽しむなら、産地の特徴を知ることが最初の一歩です!