「養殖うなぎは栄養がない」って本当?現役プロが科学的に解き明かす!天然vs養殖、栄養価の真実

「うなぎの栄養価が低いって聞いたことありませんか?特に養殖ものは天然に比べて栄養がないなんてよく言われていますよね。

うなぎといえば、夏の土用の丑の日に食べる風習があって、
私たち『うなぎ昇り小松園』、そして通販サイト『十一代目うなぎ佐市右衛門』でも
、一年を通じてお客様に喜びをお届けしている特別な食材です。」

茨城県でうなぎ専門店を営む私が思うに、

最近、SNSやインターネットでは「養殖うなぎは天然と比べてどうなの??」という噂が、
やっぱり天然だよねとかいう話が
まるで常識のように語られているのをよく目にします。

でも、これって本当に科学的な根拠があるのでしょうか?

うなぎのプロとして、この疑問に真摯に向き合い、
最新の科学的データや専門家の意見をもとに徹底検証してみました!

この記事では、養殖うなぎと天然うなぎの栄養価の真実を明らかにし、
どちらが健康に良いのか、そして美味しく賢くうなぎの栄養を摂るためのポイントをご紹介します。
うなぎ好きな方はもちろん、健康に気を使っている方も、ぜひ最後までお読みください!


1. 「養殖うなぎは栄養価が低い」は大きな誤解!科学が見抜く真実

「養殖うなぎは天然に比べてどうなの?」というのは、長年多くの人が信じてきた俗説です。
特に土用の丑の日が近づくと、この話題がネット上で必ずと言っていいほど盛り上がります。

しかし、科学的な視点から見ると、この説は大きな誤解であることが分かっています。

複数の研究機関や専門家の報告によると、
現代の養殖うなぎは、天然うなぎと比較しても栄養価において遜色ないレベルにまで向上しています。

養殖うなぎの栄養価、驚きの真実

  • 豊富なビタミン群: うなぎは、疲労回復や粘膜・皮膚の健康維持に役立つビタミンA、骨の健康に必要なビタミンD、強い抗酸化作用を持つビタミンE、そして夏バテ予防に欠かせないビタミンB群(特にB1)など、非常に多くのビタミンをバランス良く含んでいます。 養殖うなぎもこれらのビタミンを天然と同様に豊富に蓄えています。特に脂溶性ビタミンであるビタミンAやEは、適切な飼料を与えることで天然よりも多く含まれるケースがあることも指摘されています。
  • 良質なタンパク質: 筋肉や体の組織を作るタンパク質も豊富。養殖うなぎ、天然うなぎともに、必須アミノ酸をバランス良く含む高品質なタンパク源です。その含有量に大きな差はありません。
  • 見直される脂質の価値: 養殖うなぎは天然に比べて脂質が多い傾向にありますが、この脂質こそ栄養の宝庫です。前述の脂溶性ビタミン(A, D, E)は脂質と共に吸収されます。また、脳機能の維持や血液サラサラ効果が期待されるDHAやEPAといった不飽和脂肪酸も、養殖うなぎに十分に含まれています。天然うなぎの方が含有量が多い傾向はありますが、養殖うなぎの量でも健康維持には十分なレベルです。
  • 安定した品質と安全性: 天然うなぎは、捕獲される環境や時期によって栄養価や安全性にばらつきが出やすい側面があります。これに対し、適切に管理された環境で育てられる養殖うなぎは、栄養価が安定しており、環境汚染物質の蓄積リスクも天然に比べて低い傾向にあります。食品としての安定供給と安全性という点では、養殖うなぎに大きな利点があります。

私たちプロの視点からも、現代の養殖技術は目覚ましく進化しており、
飼料や飼育環境の改善により、栄養価だけでなく味や風味においても
高品質なうなぎが安定して生産されています。

「養殖うなぎは栄養がない」「天然のほうが美味しい」という情報は、
古いデータや誤解に基づいていると言えるでしょう。


2. 科学者が分析!養殖うなぎの栄養価は「進化」している

「養殖うなぎは栄養がない」という言説が広まる背景には、
過去の養殖方法に関する情報や、天然ものへの根強い信頼があるかもしれません。
しかし、食品科学や水産研究の分野では、養殖うなぎの栄養価に関する研究が進み、その評価は大きく変わってきています。

最新研究でわかった、養殖うなぎのポテンシャル

  • 栄養価の差は縮小傾向に: 日本水産学会など、様々な研究機関の分析によると、主要な栄養素における養殖うなぎと天然うなぎの差は、以前に比べて小さくなっています。特にタンパク質やビタミンB群などは、ほぼ同等です。
  • 飼料の改良がカギ: 養殖技術の進化において、飼料の改良は非常に重要な要素です。うなぎが必要とする栄養素をバランス良く含み、成長段階に合わせた最適な飼料を与えることで、身質だけでなく栄養価そのものをコントロールできるようになっています。例えば、DHAやEPAといった不飽和脂肪酸を強化した飼料の研究・開発も進められています。
  • 調理法の影響も大きい: 栄養学の専門家は、養殖か天然かという差よりも、うなぎをどのように調理して食べるかの方が、実際に体内に取り込まれる栄養素量に大きな影響を与えることを指摘しています。例えば、焼く時間やタレの成分なども栄養素の損失や吸収率に関わってきます。

つまり、「養殖うなぎには栄養がない」というのは、現代の養殖技術や栄養学の知見から見れば、
もはや事実とは言えないのです。
養殖うなぎは、科学的に管理された環境で、必要な栄養をしっかりと摂取して育っており、
天然うなぎに劣らない、あるいは一部では上回る栄養価を持っています。


3. 夏バテ対策にも最適!養殖うなぎの栄養素を完全比較

夏バテで体がだるい、食欲がない…そんな時に無性に食べたくなるのがうなぎですよね。
昔から滋養強壮に良いとされ、夏バテ対策の定番です。この夏バテ対策効果は、養殖うなぎでも十分に期待できるのでしょうか?

夏バテ対策に効く!うなぎの主要栄養素(養殖・天然比較)

栄養素 主な効果 養殖うなぎ 天然うなぎ 補足
タンパク質 体の組織を作る、疲労回復 豊富 豊富 どちらも良質なアミノ酸バランス
ビタミンA 粘膜・皮膚の健康、視力維持 非常に豊富 非常に豊富 脂質と共に吸収、養殖で多い場合も
ビタミンB1 糖質をエネルギーに変える、疲労回復 豊富 豊富 夏バテ時のエネルギー補給に重要
ビタミンD 骨や歯を丈夫にする 豊富 豊富 カルシウム吸収を助ける
ビタミンE 抗酸化作用、血行促進 豊富(天然より多い傾向) 豊富 若々しさを保つビタミン
DHA・EPA 脳機能維持、血液サラサラ 十分に含まれる より豊富(傾向) 養殖でも健康維持に十分な量
ミネラル(カリウムなど) 筋肉機能、水分バランス調整 豊富 豊富(天然がやや多い傾向) 夏場の脱水・疲労対策に役立つ

(※上記の含有量は一般的な傾向を示すものであり、個体差や時期、養殖方法によって変動します。)

ご覧のように、夏バテ対策として特に重要なビタミンB群や良質なタンパク質、疲労回復に役立つ様々な栄養素は、養殖うなぎにも豊富に含まれています。DHA・EPAやミネラルなど、天然うなぎがやや優位な傾向がある栄養素もありますが、養殖うなぎに含まれる量でも十分な健康効果が期待できます。

価格面でも比較的手に入りやすい養殖うなぎは、夏バテを感じやすい時期に、手軽に美味しく栄養補給するための非常に合理的な選択と言えるでしょう。


4. 養殖うなぎ選びで失敗しない!プロが教える賢い選び方のコツ

栄養価が高く、安全性も向上している現代の養殖うなぎ。せっかくなら、美味しくて質の良いものを選びたいですよね。私たちプロが普段から見ている、養殖うなぎ選びのポイントをご紹介します。

これがプロの目利き!質の良い養殖うなぎを見分けるコツ

  • 「色つや」をチェック: 健康な養殖うなぎは、皮に自然な艶があり、腹部は白く、背中が濃い黒褐色をしています。全体的に色が均一で、鮮やかさがあるものが新鮮で質が良い傾向にあります。
  • 「肉厚感と弾力」を確認: 身がふっくらとしていて、適度な肉厚感があるか、パック越しに軽く押してみて弾力があるかを確認しましょう。身が痩せているものや、ブヨブヨしているものは避けた方が無難です。
  • 「産地」と「生産者情報」を信頼する: 国内産の養殖うなぎは、厳しい安全基準と品質管理のもとで育てられています。特に鹿児島県、愛知県、宮崎県など、うなぎ養殖が盛んな地域のものは信頼性が高い傾向にあります。可能であれば、生産者の情報がしっかりと開示されているものを選ぶと、より安心です。私ども「十一代目うなぎ佐市右衛門」でも、信頼できる産地から仕入れた活きの良い国産うなぎのみを使用しています。
  • 「環境認証」にも注目: 最近では、持続可能な養殖方法や環境に配慮した基準を満たしたうなぎに付けられる「ASC認証」や「養殖エコラベル」などがあります。こうした認証マークは、品質だけでなく、倫理的・環境的な観点からも価値のあるうなぎであることの目印になります。
  • 信用できるお店で購入する: スーパーで購入する際は、陳列方法や鮮度管理がしっかりしているか、また最後に買い物カゴに入れるなど、ご自身でも鮮度を保つ工夫をしましょう。うなぎ専門店や、私たち「十一代目うなぎ佐市右衛門」のような生産背景や品質へのこだわりを明確にしている通販サイトを選ぶと、質の高い養殖うなぎに出会える確率が高まります。

「養殖だから栄養価が低い」という誤った情報に惑わされず、
これらのポイントを参考に、賢く美味しい養殖うなぎを選んで、
その豊富な栄養を日々の健康に活かしましょう!